まだ幼いお桃が奉公として連れられたのは、吉原遊郭だった。そして出逢ったひとりの花魁が、彼女の運命を大きく変えてゆくことになる。
美しく成長した桃太郎(お桃)。遊女としてこれから大々的に売り出されようというその日、衝撃的な事実が発覚する。
落ち込んだ桃太郎ではあったが絹月の想いを知り、決意も新たに姉女郎との最後の仕事に望むのであった。
絹月と過ごす最後の夜。 花魁の名代として常連客の相手をすることになった桃太郎の仕事ぶりとは。
桃太郎にとっての苦界。 それぞれの遊女にとっての苦界。 絹月にとっての苦界。 最後の夜は静かに更けてゆく。。
激動。 夢、幻、そして託された『色斬』
第一話 了。
男装に身をやつし、身分を隠して旅立った桃太郎。 初めて歩む俗世に浮き足立ち気味の桃太郎は、変わった雰囲気の町娘と出逢う。
おこまと名乗った娘のペースに調子を狂わされながらの桃太郎は、おこまの誘いのままに北村という村をめざす。
おこまに連れられて北村から山奥の滝を目指すことになった桃太郎。 道中おこまが語る「犬神」の成り立ちに。。
桃太郎とおこまは「犬神」の封じられた滝へとやってきた。けれどそこには滝に古くから主として住むモノがいた。
桃太郎の前に現われた「犬神」。その頃、先刻立ち寄った北村では異変が起きていた。
再び現われた、おこまを付回す黄槇組。けれどなんだか様子がおかしい。 そしてそこに突然やってきた異国の風貌をした組員は――
第二話 了。
北村にて一件を収束させた桃太郎は、おこまをお供に旅を続けることとなる。。
桃太郎とおこまの慣れない二人旅。駿河の国に入ったそこで、桃太郎は現われた野猿に屈辱を。。
人生最大の辱めを与えた猿に報復を誓う桃太郎。そんな乙女におこまが告げる衝撃的事実とは。。
最近大量に発生しているという猿の正体を逸早く見抜いたおこま。単独で猿達の警戒網の突破を試みる。
囚われていた猿から彦九郎という少年の存在を聞かされたおこまは桃太郎に『色斬』の力を借りたいと頼む。 その頃おこまの帰りを待つ桃太郎は。。
彦九郎と対峙する桃太郎。 彼が内に秘めた強さに感服した桃太郎は真っ向からその情念を切り捨てることを決意するが。。
三話 了。
所用を頼まれ駿府城を訪れた桃太郎とおこま。おこまが用事に出かけている間になんと新たな鬼が出現。
とうとう遠江の国にやってきた桃太郎。無事に保土ヶ谷誠次郎とも会うことが出来、絹月からの名代をまっとうすることが出来たかに思えたが
保土ヶ谷誠次郎に告げられた答えを確かめるべく、桃太郎は京の都を目指す決意をする。 そして京都では、またおかしな巡り合せが待っていた。
京都での情報収集に出かけた桃太郎は花街を聞き込んで回ることにしたが、それは幼い頃に別れた少女を捜すためであった。
京都で一度は見学したかった嶋原遊里で、まさかの「太夫」と出逢った桃太郎。 予想外の目上の存在に桃太郎は。。
旅籠にて一日の調査結果を話し合っていた桃太郎達の許へ、早くもお春を見つけたという雪路が現われるが、見つけたというお春は。。
四話 了。
雪路というあらたなお供を連れ、京都を旅立った桃太郎一行の前途に、望まれざる再会が待っていた。
にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!フーッ!
とうとうその時がやってきた。桃太郎は手にした太刀に銘を刻む。そしてそれは己への新たなる決意と共に。。
一時の休息を経て、桃太郎一行の旅は再開された。
自らの過去を伝えるとともに、色鬼達の核心へと踏み込んだ桃太郎。そんな一行の前にまたしても新たな鬼の襲撃が待っていた。
雪路の活躍があり鬼を退けた桃太郎一行は神戸の港を出港する。 やがて辿り着くは――
第五話了その一。
第五話了その二。
日本一の桃太郎。空も時も越えて、物語は永遠に生き続ける。。